+ | 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 |
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* | 慶應義塾大学 環境情報学部 |
本論文では,移動しうるアプリケーションモジュール(AM)が提供するサービスの 位置および移動透過的な通信を実現する機構AMRB(Application-Module Request Broker)のアーキテクチャと評価について論じる. AMから提供されるサービスの移動には,計算機の移動に伴うサービスの移動と移 動コードによるサービスの移動の2種類がある. したがってAMから利用するサービスの名前とネットワーク上の位置の組み合わ せは動的に変化しうるため,静的な組合わせを前提とするシステムでは2種類の 移動に対する統一的な枠組みを提供できない. AMRBでは,サービスの位置透過性と移動透過性を実現することで2種類の 移動に対する統一的な枠組みを提供する. まず,移動するAMごとにネットワーク上の位置を含まない識別子を用いて通 信することで,AMの提供するサービスをネットワーク上の位置透過的に利用できる (サービスの移動透過性). また,移動によるAMのネットワーク上の位置変化をマルチキャストで各計算機上 のAMRBに通知し,送信元のローカルキャッシュをもとに転送することによって, AMの提供するサービスを移動透過的に利用できる(サービスの移動透過性).